交通事故の被害者の代理人は誰がなれるのか?

交通事故に遭って被害者となった場合、加害者の責任を追及したり、怪我の治療費を請求するなど、面倒な手続きが待っています。怪我をして精神的ショックを受けているような被害者がこうした厄介な手続きを行うのは、容易ではありません。

特に、加害者との交渉には、心労を強いられるでしょう。被害者の代理人として、このような行為を代行してくれる人はいないのでしょうか。

交通事故の被害者は加害者に対して何ができるか?

交通事故で死傷し被害者となったら、加害者に対して刑事責任を追及したり、民事上の損害賠償請求をしたりすることができます。相手方の過失により携行品や自動車を壊された場合も、民事責任を追及することが可能です。

この場合は、過失による器物破損が刑法の条文にはないため、刑事事件として扱うことはできません。自動車運転過失致死罪や危険運転過失致死傷罪などの刑事責任を追及する際は、刑事裁判を起こすよう検察官に訴える必要があります。

刑事裁判で被告人が有罪の判決を受けたら、自動車運転過失致死傷罪なら、懲役7年以下または罰金100万円以下という刑が科されます。極端なスピードオーバーのほか飲酒や薬物使用などの原因による危険運転致死傷罪はこれよりも重く、懲役15年以下となります。

ただし、起訴の権限は検察官にあるので、被害者が起訴を求めたからと言って必ず刑事裁判に持ち込める訳ではありません。証拠不十分のケースや、微罪で当罰性が低い場合は、不起訴処分とすることもあります。民事責任を追及する場合は、必ずしも民事裁判を起こす必要がありません。

裁判外の示談交渉で、損害賠償を求めることができます。加害者の民事責任は、民法709条の不法行為に基づくもので、損害の発生と加害者の故意・過失に加え、損害と加害者の行為の因果関係や違法性などが要件となっています。

賠償の方法は金銭により、他の方法は認められていません。交通事故で甚大な被害を与えた場合、賠償額は高額となり、個人の資産では補いきれないことが多いので、ほとんどの自動車の所有者は任意保険に加入して賠償に備えていると言えるでしょう。

交通事故の被害者になってしまった!損害賠償請求できる項目や請求の流れを知ろう!

民事責任追及の際に必要な示談交渉

損害賠償を請求するためには、当事者同士の示談交渉が欠かせません。示談交渉が上手くいかず決裂した場合には、斡旋や調停で妥協点を探し、それでも折り合わなければ民事裁判に移行することになるでしょう。裁判で出された判決に不服があれば、上告して上級審の審理をあおぐことになりますが、最高裁まで進んだら最終的解決として当事者は受け入れなければなりません。

通常の示談交渉では、被害者が損害の額を提示し、加害者に賠償を求めます。被害者の提案を加害者が受け入れたら、示談交渉は終結します。加害者に不満があれば、賠償額について減額交渉をするでしょう。その際に問題となるのが、過失割合です。

事故原因として加害者に全面的な非がある場合を除き、被害者にも過失があれば、どちらの過失が事故につながる要因として大きな割合を占めるか勘案しなければなりません。被害者側にも相当の過失が認められたら、加害者の支払うべき賠償金の額もその割合に応じて減額されることになるのです。

これを過失相殺と言います。

被害者本人が民事責任を追及した場合

示談交渉において、被害者が事故で重傷を負っていないときは、自分で交渉に臨むことがあります。被害者が加害者と顔を合わせるのは苦痛であり、交渉には心理的負担が大きいでしょう。被害者が交渉の素人であるのに対して、加害者側が保険会社や弁護士などの代理人を立ててきた際には、被害者は著しく不利な立場に立たされることになります。

相手の主張に言いくるめられて、本来受け取れるはずの額の賠償金をもらえないという事態になりかねません。

保険会社が被害者の代理人を務めることができるのはどんなとき?

被害者本人が示談交渉をするのは不利なので、代理人に依頼することが必要です。交通事故に遭ったら、自動車保険の保険会社が示談交渉を代行してくれることがあります。ただし、保険会社が代理人を務められるのは、保険加入者に賠償責任がある場合に限られます。

つまり、被害者側にも過失が認められ、加害者に対して賠償責任を負うときは、保健会社が被害者の代理人を務めることが可能です。したがって、被害者側に過失がなく、加害者が全面的な賠償責任を負う場合には、保健会社が被害者の代理人を務めることができません。

被害者にとっては、自分に過失がないときに保健会社のサポートを受けられないのは不条理な気がするかもしれません。しかし、紛争の代理は弁護士に限るという規定が弁護士法にあり、例外的に保健会社だけが賠償責任を果たす加入者を代理することが認められているのです。

交通事故の扱いは事情聴取で決まる!?被害者が押さえておくべきポイントは?

被害者が代理人を弁護士に依頼するとどんなメリット・デメリットがあるか?

保険会社に代理を依頼できない被害者は、弁護士に代理人を依頼できます。弁護士は、あらゆる紛争の代理人としての権限を与えられているからです。弁護士は法律の専門家であると同時に交渉のプロであり、交通事故の示談交渉においても、その能力を遺憾なく発揮できるでしょう。

特に、交通事故の紛争処理を専門としている弁護士は多く、被害者の代理人を探すことはさほど困難ではありません。交通事故は重大事故ほど損害賠償額が高額になることが多く、弁護士の報酬も高くなるからです。弁護士は、損害賠償額の算定を弁護士基準によって行います。

弁護士基準は、保険会社が定める基準より高く、保険会社が提示する金額より高額の賠償金を獲得できるでしょう。ただし、弁護士の報酬も高額で、加害者から得た賠償金のうちから相当の金額を支払わなければなりません。

弁護士に依頼する時には、最初に着手金を求められることもあるでしょう。こうした費用を捻出する方法として、弁護士保険や自動車保険の弁護士費用特約に加入する方法が挙げられます。弁護士保険は、毎月数千円を支払うだけで、民事事件に巻き込まれた際に必要となる弁護士費用を肩代わりしてくれる民間の保険です。

自動車保険の弁護士費用特約は、車の所有者が交通事故の被害者となった場合も、弁護士費用を弁済してくれます。保証の上限は設定されているものの、着手金をはじめかなりの報酬をカバーしてくれるでしょう。

交通事故を起こした時の正しい行動や被害者と連絡がとれない場合の対処法について

弁護士保険などに加入して交通事故の交渉で代理人を弁護士に頼めるようにしておこう!

誰でも交通事故にはいつ巻き込まれるかわかりません。一方的な被害者となったときに、保険会社に代理人を頼めないので、代理人を弁護士に依頼することが必要になるケースが多いでしょう。ただし、弁護士に払う報酬は高額です。

そこで、予め弁護士保険や自動車保険の弁護士費用特約に加入しておくなどの対策が欠かせません。

交通事故で被害者に!通院費打ち切りと言われたときの対処法と治療を続けるべき理由!

関連リンク→アディーレ:交通事故慰謝料無料相談